蔵王温泉
ざおうおんせん
山形市の蔵王温泉は、樹氷とスキーで知られる東北最大級の山岳リゾート。ただし山形市が「冬季に偏りがちな観光需要」を課題に挙げるほど、人が集まるのは冬に寄っています。秋の温泉街は、その冬の準備が始まる前のいちばん静かな時間。強酸性の硫黄泉に浸かって紅葉を眺めるなら、平日を選んでください。
山形市の蔵王温泉は、開湯から1900年余りと伝わる古い湯の町です。泉質は全国でも珍しい強酸性の硫黄泉で、湯に浸かると肌がきしむような感触がある。温泉街には共同浴場と足湯、日帰り入浴のできる施設が点在していて、宿に泊まらなくても湯には入れます。
この町の名前が全国に出るのは、たいてい冬です。蔵王ロープウェイから見る樹氷、東北最大級のスキー場——蔵王温泉が観光地として発展したのはスキーとともにでした。山形市がオーバーツーリズム対策の事業で「冬季に偏りがちな観光需要を年間を通じて均等化する」と課題を掲げているとおり、この町の人出は冬に寄っています。市が繁忙期として数字で定義しているのも12月下旬から2月上旬です。
裏を返せば、秋の温泉街は空いている側にあります。スキー客はまだ来ず、樹氷の季節も先。宿の側にも間合いがあり、共同浴場で地元の人と隣り合う確率が上がります。紅葉は例年9月中旬ごろから色づきはじめ、10月中旬ごろが見頃とされます。硫黄の匂いのする湯から上がって、色づいた山を見上げながら宿へ戻る——秋の蔵王温泉はそういう時間の使い方ができます。
ただし、ひとつだけ注意が要ります。この記事が勧めているのは温泉街の静けさであって、蔵王全体が静かなわけではありません。火口湖「御釜」(おかま)へ通じる蔵王エコーラインと蔵王ハイラインについては、蔵王町観光物産協会が紅葉シーズンの渋滞を明記しています。混むのは土日・祝日の晴天時で、料金所や山頂の駐車場を先頭に列ができる。つまり温泉街と御釜は、同じ秋でも混み方が逆です。
だから平日をおすすめします。冬になればエコーラインは閉鎖され、車で御釜へ行くことはできません。紅葉の時期の土日・祝日は道が混み合います。色づいた山を見ながら御釜まで上がり、硫黄の匂いのする湯に戻ってくる——その隙間にあたるのが秋の平日です。
エコーラインは例年11月の初めに冬期閉鎖に入り、翌年の4月下旬まで通れません。閉鎖区間には蔵王ハイラインの入口も含まれるため、車で御釜へ行けるのは閉鎖の前までです。加えて10月の中ごろからは夜間の通行止めが始まります。閉鎖日も夜間規制の期間も年によって前後しますので、出発前に道路管理者や観光協会の発信で当年の状況を確かめてください。
食べるものでは、ジンギスカンが温泉街の名物です。鉄鍋で羊肉を焼くこの食べ方は蔵王が発祥とされ、山形市観光協会は文化庁の「100年フード」に認定されたものとして紹介しています。ほかに山形のソウルフードである玉こんにゃくや、蔵王の稲花餅(いがもち)が温泉街で食べられます。いずれも季節ものではないので、秋に限った話ではありません。
見どころ
- 1強酸性の硫黄泉——共同浴場と足湯が温泉街に点在
- 2紅葉は例年9月中旬から色づき、10月中旬ごろが見頃
- 3火口湖「御釜」へは車で——エコーラインは例年11月初旬に冬期閉鎖
- 4平日なら温泉街の静けさと御釜の両方が成立する
おすすめ訪問時期
9月下旬から10月中旬の平日をおすすめします。紅葉は例年9月中旬ごろから色づきはじめ、10月中旬ごろが見頃です。御釜へ通じるエコーラインは例年11月の初めに冬期閉鎖へ入り、10月中ごろからは夜間の通行止めも始まります。閉鎖日は年によって前後しますので、出発前に道路管理者や観光協会の発信でご確認ください。土日・祝日の晴天時は道路が混み合いますので、平日に寄せると温泉街の静けさと御釜の両方が成立します。
オフシーズンだから会える景色
山形市が「冬季に偏りがちな観光需要」を課題に挙げるとおり、この町の人出は冬に寄っています。秋はスキー客が来る前で、宿にも共同浴場にも間合いがある時期です。ただし、御釜へ通じるエコーラインとハイラインは別で、紅葉シーズンの土日・祝日の晴天時には渋滞が発生すると蔵王町観光物産協会が明記しています。温泉街と御釜は同じ秋でも混み方が逆になるため、両方を1日でまわるなら平日を選んでください。
アクセス
JR山形駅から山交バスで約40分(蔵王温泉バスターミナル)
山形自動車道 山形蔵王ICから約35分
温泉街に駐車場あり(詳細は公式サイトでご確認ください)
よくある質問
Q秋の蔵王温泉は、冬と比べてどのくらい静かですか?
山形市はオーバーツーリズム対策の事業で「冬季に偏りがちな観光需要を年間を通じて均等化する」ことを課題に掲げており、繁忙期を12月下旬から2月上旬と定義しています。秋はその前にあたり、スキー客も樹氷目当ての客もまだ来ていない時期です。ただし具体的にどれだけ空いているかを示す月別の公開データは、執筆時点では見あたりませんでした。宿の空き状況は各施設にご確認ください。
Q「御釜」へは何月まで車で行けますか?
御釜へ通じる蔵王エコーラインは、例年11月の初めから翌年4月下旬まで冬期閉鎖となります。閉鎖区間には蔵王ハイラインの入口も含まれるため、この間は車で御釜へ行くことができません。また10月の中ごろからは夜間の通行止めが始まります。閉鎖日も夜間規制の期間も年によって前後しますので、出発前に道路管理者や観光協会の発信で当年の日程をご確認ください。
Q紅葉の時期は混みますか?
温泉街と道路で事情が違います。蔵王町観光物産協会は、紅葉シーズンを含む行楽期の土日・祝日の晴天時に蔵王エコーライン・蔵王ハイラインで渋滞が発生すると明記しています。料金所や山頂の駐車場を先頭に列ができるためです。一方の温泉街は、冬の繁忙期に比べれば落ち着いています。平日に寄せると、両方を無理なくまわれます。
Q温泉街で食べられるものは何ですか?
ジンギスカンが名物です。鉄鍋で羊肉を焼くこの食べ方は蔵王が発祥とされ、山形市観光協会は文化庁の「100年フード」に認定されたものとして紹介しています。ほかに山形のソウルフードである玉こんにゃくや、蔵王の稲花餅(いがもち)があります。いずれも通年で、秋に限ったものではありません。店ごとの営業時間や定休日は公式サイトでご確認ください。
Q秋の服装で気をつけることはありますか?
蔵王温泉は標高がありますので、市街地の感覚で服装を決めると冷えます。朝晩と日中の気温差が大きく、露天風呂から上がったあとは特に体が冷えやすいです。重ね着ができる服装と、羽織るものを一枚持っていくと安心です。御釜まで足を延ばす場合は山の上になりますので、さらに一枚あるとよいでしょう。