四万十川
しまんとがわ
高知県西部を流れる四万十川は、全長196kmの四国でいちばん長い川で、「最後の清流」と呼ばれています。増水のときに沈むことを前提に欄干を作らない沈下橋が架かり、天然アユの漁期が始まる6月は、夏休みの8月より人出が落ち着いています。
四万十川は、高知県津野町の不入山(標高1,336m)を源に、196kmを流れて太平洋に注ぐ四国でいちばん長い川です。正式な名前はもともと「渡川」でしたが、「日本最後の清流・四万十川」とテレビで紹介されたことをきっかけに全国に知られ、地元の強い要望で1994(平成6)年7月25日に「四万十川」に改められました(四万十市観光協会)。国土交通省の中村河川国道事務所も、四万十川を「最後の清流」と呼ばれる川と紹介しています。
四万十川の景色を代表するのが沈下橋です。大水のときに橋が水中に沈むことを想定し、水の抵抗を受けにくくするため、また流木が引っかかって流れを悪くしないように、はじめから欄干を作っていません。河口にいちばん近い佐田沈下橋(今成橋)は1972(昭和47)年の建設で、全長291.6m。四万十川の最下流にある、いちばん長い沈下橋で、中村駅から車で約20分です。ポスターやテレビによく登場する岩間沈下橋は中村駅から車で約50分、高瀬沈下橋は初夏のホタル見物や夏のキャンプでにぎわいます(四万十市観光協会)。高知県の四万十川沈下橋保存方針では、48橋が保存の対象とされています(高知県)。
四万十市の主な観光施設5か所の利用者数(高知県の調査)を見ると、令和5〜7年の3年とも8月がいちばん多く、6月は12か月中9〜10位でした。市全体ではなく、キャンプ場やカヌー館、博物館など5施設の合計です。四万十市観光協会によると、佐田沈下橋と岩間沈下橋では、ゴールデンウィークとお盆に車両の通行規制があり、警備員が案内します。6月はその混雑の前で、沈下橋や川べりを落ち着いて歩けます。
6月は梅雨の時期でもあります。四国地方の梅雨入りの平年は6月5日頃です(気象庁)。四万十川は昔から洪水の多い川で、大雨のシーズンには沈下橋が沈むこともあります(四万十市観光協会)。雨のあとで水かさが増えているときは、沈下橋を渡ったり川に入ったりせず、川遊びの予定は催行する事業者に確かめてください。雨の日は、屋内で見学できる四万十川学遊館(あきついお)が候補になります。
食の楽しみは、まず天然アユです。四万十市観光協会によると、天然アユの漁期は6月から10月15日までと、12月から1月まで。四万十川で育ったアユは「香魚」と呼ぶにふさわしい川の香りがあるとされ、塩焼きが代表的な食べ方です。頭や骨まで食べられる甘露煮や、内臓を塩辛にした「うるか」もあります。天然物のため、漁が少ないと売り切れることがあり、店に事前に確かめるのがおすすめです。観光協会は、天然うなぎ、テナガエビ、ごりも四万十川の「川の幸」として紹介しています。
四万十川学遊館のあるトンボ自然公園は、トンボの保護区です。60種を超えるトンボがすみ、池や花畑、田んぼを巡りながら色あざやかなトンボを間近に見られます。トンボの成虫は3月から12月にかけて見られ、公園は一年中開いています。学遊館の水族館では、四万十川の魚を中心に世界の魚が展示されています(国土交通省・観光庁の多言語解説文)。
見どころ
- 1沈下橋——増水で沈むことを前提に欄干を作らない橋。河口にいちばん近い佐田沈下橋は全長291.6mで、四万十川でいちばん長い沈下橋です
- 2天然アユ——漁期は6月から10月15日までと12月から1月まで。塩焼きのほか、甘露煮や、内臓の塩辛「うるか」も
- 3トンボ自然公園——トンボの成虫が3月から12月に見られる保護区。四万十川学遊館(あきついお)では四万十川の魚も展示しています
- 4川の幸——天然うなぎ、テナガエビ、ごりなど、四万十川ならではの味
混雑カレンダー
混雑ピーク — 8月
四万十市の主な観光施設5か所(キャンプ場、カヌー館、博物館など)の利用者の合計は、令和5〜7年の3年とも8月が12か月中1位でした(高知県「県外観光客入込・動態調査報告書」)。市全体ではなく5施設の数です。四万十市観光協会によると、お盆とゴールデンウィークには、佐田沈下橋と岩間沈下橋で車両の通行規制があります。
狙い目 — 6月
6月は、四万十市の主な観光施設5か所の利用者の合計が、令和5〜7年の3年とも月平均を下回り、12か月中9位・10位・10位でした(高知県「県外観光客入込・動態調査報告書」)。四万十市観光協会によると、天然アユの漁期は6月から始まります。トンボ自然公園では、トンボの成虫が3月から12月に見られます。四国地方の梅雨入りの平年は6月5日頃です(気象庁)。
おすすめ訪問時期
6月がおすすめです。天然アユの漁期が始まり、夏休みの8月の混雑が来る前に、沈下橋や川べりを落ち着いて巡れます。梅雨の時期なので、雨のあとで川の水かさが増えているときは沈下橋を渡らず、川遊びは催行する事業者に確かめてから出かけてください。人出が最も多いのは夏休みの8月で、お盆とゴールデンウィークには佐田沈下橋と岩間沈下橋で車両の通行規制があります。
オフシーズンだから会える景色
夏休みの賑わいが来る前の6月。人の少ない沈下橋に立つと、緑の山あいを流れる川と、欄干のない橋がつくる四万十川らしい景色を静かに眺められます。漁期の始まった天然アユを味わい、トンボ自然公園では水辺を飛ぶトンボに出会えます。
アクセス
土佐くろしお鉄道の中村駅が玄関口です。岡山駅で乗り換え、JRと土佐くろしお鉄道で中村駅まで約4時間20分。中村駅から佐田沈下橋までは車で約20分、岩間沈下橋までは約50分です(四万十市観光協会)
高知自動車道の四万十町中央ICから国道56号線で中村駅まで47.5km、約59分です。佐田沈下橋・高瀬沈下橋へは、四万十市内から国道441号線を通るよう案内されています(四万十市観光協会)
佐田沈下橋には県道340号線沿いに無料の専用駐車場があります。高瀬沈下橋には専用の駐車場がなく、道沿いに乗用車1〜2台分のスペースがあるだけです。GW・お盆は警備員の案内に従ってください(四万十市観光協会)
よくある質問
Q沈下橋は歩いて渡れますか?
ふだんは渡れます。ただし沈下橋は地元の車も多く通るので、橋の上で写真を撮るときは車の通行を妨げないよう、周りの安全を確かめてください(四万十市観光協会)。大雨で水かさが増えると橋が沈むことがあり、そのときは近づかないでください。お盆とゴールデンウィークには、佐田沈下橋と岩間沈下橋で車両の通行規制があります。
Q6月は雨が多いですか?
6月は梅雨の時期で、四国地方の梅雨入りの平年は6月5日頃です(気象庁)。雨のあとは川の水かさが増えることがあるので、川遊びは催行する事業者に確かめてください。雨の日は、四万十川の魚とトンボを展示する四万十川学遊館(あきついお)で過ごすこともできます。
Q天然アユはどこで食べられますか?
四万十市観光協会のサイトで、天然アユが食べられる店(道の駅よって西土佐の鮎市場や、中村の料理店など)が紹介されています。天然アユの漁期は6月から10月15日までと12月から1月までで、禁漁の期間は冷凍のアユになります。天然物のため売り切れることがあるので、店に事前に確かめてください。