しずか旅
温泉

黒川温泉くろかわおんせん

熊本県 · 阿蘇郡南小国町

黒川温泉

くろかわおんせん

熊本県阿蘇郡南小国町の黒川温泉は、田の原川の谷間に30軒の旅館が集まる山里の温泉郷です。冬の温泉街には竹の灯籠を灯す「湯あかり」が例年12月下旬から3月末まで並び、日が落ちた川沿いを柔らかな光が埋めます。標高700メートルの山間で雪や路面凍結への備えは要りますが、灯りが続く期間の後半にあたる2月は、年間を通してもっとも静かに湯を巡れる時期です。

この温泉郷の性格は、宿の集まり方に表れています。温泉街全体をひとつの旅館と見立て、それぞれの宿を離れ部屋、宿をつなぐ小径を廊下として整えてきました。看板を減らし、木と石と土壁で通りの調子を揃えた結果、谷そのものが宿の内側のように感じられます。江戸期には湯治場として知られた土地で、いまも湯を目的に歩く場所であることは変わっていません。夜になると通りの照明は落ち、川の音が近くなります。

冬のこの谷には、竹の灯籠が並びます。「湯あかり」と呼ばれるこの灯りは、放置竹林が里山の環境を脅かすことへの対策として始まった竹の間伐・再生活動の一環で、2012年の冬から続いています。伐った竹を地元の人の手で球体に編んだ鞠灯籠と、くり抜いた筒灯籠を、田の原川の水面に沿って据えていきます。灯りは例年12月下旬から3月末まで、夕方から21時半ごろまで点きます。年によって始まりと終わりは前後するため、訪れる前に公式発信でご確認ください。

灯りの並ぶ期間のうち、2月は人の流れが最も落ち着く時期です。点灯が夕方以降であることも、この月の選び方と噛み合います。日帰りでは灯りの時間まで滞在しにくく、宿に荷を置いてから浴衣と羽織で通りへ出る形が素直です。湯を巡ってから川沿いを歩き、宿に戻ってもう一度浸かる。混雑する時期の温泉街は道が狭く駐車場も埋まりますが、この時期はその気配が薄く、灯りの前で足を止めていられます。

ただし冬の谷には備えが要ります。標高700メートルの山間で、例年12月から3月ごろは雪が積もり路面が凍ることがあり、複数の宿がスタッドレスタイヤかチェーンの用意を求めています。温泉街の道は昔ながらに狭く、路肩に停めると離合できません。日帰りの場合、公式は温泉街まで徒歩10分ほどの駐車場の利用を案内しています。道路状況は年で変わるため、出発前に公式発信で確かめてください。

食は、この一帯の土に結びついています。阿蘇の草原で育つあか牛は、放牧が草原そのものを保つ関係にあり、温泉街の店でも丼や炙り重として出されます。町内の赤馬場にはそば屋が連なり、小国大根と合わせる椀もあります。隣の小国町と合わせた小国郷はジャージー牛乳の産地で、牛乳やヨーグルトは黒川温泉から近い直売所で手に入ります。いずれも漁期や開花に左右されない、天候の当たり外れが小さい食です。

見どころ

  • 1湯あかり——竹の鞠灯籠が川沿いを照らす冬だけの光景
  • 230軒の旅館が連なる温泉街——入湯手形で加盟旅館の露天風呂を巡れる
  • 3あか牛と小国郷のそば——阿蘇の草原が育てた食
  • 4標高700メートルの雪景色——凍結対策をして訪れる冬の谷

混雑カレンダー

空いている
やや空き
普通
やや混雑
非常に混雑
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12

混雑ピーク — 7月・8月

夏休み・お盆で宿泊客増加

狙い目 — 2月

湯あかりの期間内でありながら人の流れが落ち着く

おすすめ訪問時期

💡

2月の平日がおすすめです。竹の灯籠を灯す「湯あかり」が例年12月下旬から3月末まで続くなかで、2月は人の流れが落ち着きます。点灯は夕方から21時半ごろまでのため、宿に泊まって夜の温泉街を歩く形が向いています。雪や路面凍結の備えは必要です。

オフシーズンだから会える景色

2月の黒川温泉は、湯あかりの期間内でありながら人の流れが落ち着く時期です。点灯は夕方から21時半ごろまでで、日帰りでは押さえにくい時間帯にあたるため、泊まって歩く旅と噛み合います。混雑期の温泉街は道が狭く駐車場も埋まりますが、この時期はその心配が薄れます。雪と凍結の備えだけは必要で、道路状況は公式発信でご確認ください。

アクセス

電車・バス

熊本駅・阿蘇駅から九州横断バス(予約制)で黒川温泉バス停

大分自動車道 九重ICから国道387号・国道442号経由

駐車場

温泉街に共同駐車場あり。日帰りは温泉街まで徒歩10分ほどの駐車場が公式に案内されている

よくある質問

Q「湯あかり」はいつ見られますか?
A

竹の灯籠を灯す「湯あかり」は、例年12月下旬から3月末まで、夕方から21時半ごろまで点灯します。始まりと終わりの日付は年によって前後し、点灯時間も変わることがあるため、訪れる時期が決まったら黒川温泉の公式発信でご確認ください。放置竹林の間伐と再生活動の一環として2012年の冬に始まった取り組みで、灯籠は地元の方の手作りです。

Q冬に車で行くとき、気をつけることはありますか?
A

標高700メートルの山間にあるため、例年12月から3月ごろは積雪や路面凍結が起こります。複数の旅館がスタッドレスタイヤかチェーンの用意を求めていますので、冬に車で向かう場合は準備をしてお越しください。温泉街の道は狭く、路肩に停めると対向車と離合できません。日帰りの場合は、温泉街まで徒歩10分ほどの駐車場の利用が公式に案内されています。道路状況は年で変わるため、出発前に公式発信での確認をおすすめします。

Q電車とバスで行く場合はどうなりますか?
A

熊本駅や阿蘇駅から黒川温泉のバス停へは、九州横断バスが停まります。この路線は予約制のため、当日バス停で待っていても乗れないことがあります。乗車日が決まったら事前に予約してください。路線バスの杖立線を使う場合、バスが着くのは南小国町役場前までで、そこから温泉街まではタクシーか旅館の送迎車が必要です。便数や運休は変わりますので、運行状況は各交通機関の公式発信でご確認ください。

Q入湯手形はどのような仕組みですか?
A

入湯手形は、加盟する旅館の露天風呂のうち好きな3か所に入れる木札です。岩をくり抜いた湯、洞窟の湯、川を見下ろす湯など、宿ごとに趣が違います。3か所のうち1か所を飲食や土産に使える仕組みもあります。旅館組合の事務所や各旅館で購入でき、料金や利用できる旅館は変わることがあるため、詳細は公式サイトや宿泊先でご確認ください。