しずか旅
a lake surrounded by trees with a mountain in the background
歴史・文化🌿自然

琵琶湖びわこ

滋賀県 · 大津市

Photo by Ryo Nagisa on Unsplash

琵琶湖

びわこ

西国三十三所第13番札所・石山寺。人が集まるのは紅葉の11月と初詣の1月で、2月は年間でも来訪者が少ない月です。その2月に、3つの梅園で約40種400本の梅がひらきます。瀬田川を見下ろす境内を、静かに歩ける時期です。

石山寺は、瀬田川のほとり、伽藍山の麓に建つ東寺真言宗の大本山です。天平19年(747年)に聖武天皇の勅願により良弁が開いたと伝えられ、西国三十三所観音霊場の第13番札所にあたります。平安時代には貴族の石山詣が盛んになり、紫式部はここで『源氏物語』の着想を得たと伝わります。

この寺がいちばん賑わうのは、紅葉の11月と、初詣の1月です。大津市の統計で石山・南郷地区の月別来訪者数を追うと、直近3年で11月は毎年1位か2位、1月も1位か上位に入ります。石山寺自身、初詣について三が日に集中させず松の内までの分散参拝を呼びかけているほどです。その一方で2月は、直近3年とも年間の下位で推移します。年始の人波が引いたあとの、静かな月です。

その2月に、境内では梅がひらきます。石山寺には梅園が3つあり、あわせて約40種400本。開花にあわせて「石山寺 梅つくし」が開かれ、期間中は見頃を迎えた盆梅が境内各所に並びます。第一梅園「薫の苑」は、近江八景「石山の秋月」で知られる月見亭を臨む位置にあり、梅ごしに月見亭の屋根を見上げる構図がこの寺ならではの眺めです。梅は桜のように一斉には咲かず、早咲きから遅咲きへ順に移っていくため、満開の一日を狙う必要がありません。咲いている木を探して歩く時間そのものが、この季節の過ごし方になります。

梅つくしは例年2月中旬ごろからですが、開花時期はその年の気候によって前後します。石山寺は公式サイトで「花だより」を随時更新しているので、出かける前に確認しておくと空振りがありません。梅のほかにも、2月の境内では上旬までロウバイ、中旬ごろまで寒椿・サザンカ・ヤブツバキが見られます。

境内は、寺名の由来となった天然記念物の硅灰石の上に広がります。その岩の上に立つ多宝塔は国宝で、建久5年(1194年)に源頼朝が寄進したと伝えられます。月見亭は後白河天皇の玉座とされた懸崖造りの建物で、眼下に瀬田川、その先に琵琶湖の南湖を望みます。近江八景に描かれた景色の主役は、湖ではなく川のほうです。門前を出て少し歩けば、近江八景「瀬田の夕照」で名高い瀬田の唐橋があります。

2月にしか食べられないものもあります。琵琶湖のアユの稚魚は、体が氷のように透き通って見えることから氷魚(ヒウオ)と呼ばれ、漁期は12月から翌3月頃まで。釜揚げや佃煮で味わえます。産卵前の子持ちホンモロコが出回るのも、12月から3月頃です。ただしこれらの冬の湖魚が主に獲れるのは北湖で、石山寺の目の前の瀬田川で揚がるわけではありません。県内に流通したものを大津の店で味わう、という形になります。梅つくしの期間中は、門前の店でも梅にちなんだ料理が用意されます。内容は年によって変わるため、公式サイトの案内で確かめてください。

見どころ

  • 13つの梅園——約40種400本。第一梅園「薫の苑」は月見亭を臨む位置にある
  • 2石山寺 梅つくし——例年2月中旬ごろから。境内各所に見頃の盆梅が並ぶ
  • 3月見亭——近江八景「石山の秋月」の舞台。眼下に瀬田川が流れる
  • 4硅灰石と国宝多宝塔——寺名の由来となった天然記念物の上に建つ伽藍

混雑カレンダー

空いている
やや空き
普通
やや混雑
非常に混雑
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12

混雑ピーク — 1月・11月

1月は初詣と修正会、11月は紅葉で参拝者が集中

狙い目 — 2月

年始の人波が引いたあと。2月中旬ごろからは境内3つの梅園で梅がひらき、琵琶湖の冬の湖魚も旬を迎える(梅の見頃は年により前後するため公式の花だよりで要確認)

おすすめ訪問時期

💡

2月中旬から下旬の平日が最適です。梅つくしの期間に重なり、境内の梅園と盆梅の両方が見られます。開花はその年の気候で前後するため、石山寺公式サイトの「花だより」で状況を確認してから出かけると確実です。拝観時間や入山受付の締切も公式サイトでご確認ください。

オフシーズンだから会える景色

石山寺のある石山・南郷地区で、来訪者が最も多いのは11月の紅葉と1月の初詣です。2月はその谷にあたり、直近3年とも年間下位で推移しています。人が引いたその月に、3つの梅園で約40種400本の梅がひらきます。梅は紅葉のように一斉に色づくものではなく、早咲きから遅咲きへ順に開いていくため、ひと気のない参道をゆっくり歩きながら、咲いている木を探すような見方ができます。琵琶湖の冬の湖魚が味わえるのも、この時期に限られます。

アクセス

電車・バス

JR石山駅から京阪石山坂本線に乗り換え、京阪石山寺駅下車 徒歩約10分。またはJR石山駅から京阪バス約10分、石山寺山門前下車すぐ

大阪・京都方面から名神高速 瀬田西ICより約5分(東京・名古屋方面は瀬田東IC)

駐車場

石山寺観光駐車場あり(台数限定)。石山寺まで徒歩1分

よくある質問

Q2月の石山寺は寒いですか。どんな服装で行けばよいですか。
A

瀬田川に面した土地で、朝夕は冷え込みます。境内は硅灰石の上に石段が続き、梅園まで登る道もあるため、歩きやすい靴と、脱ぎ着で調整できる重ね着をおすすめします。当日の気象情報は事前にご確認ください。

Q梅の見頃はいつごろですか。
A

「石山寺 梅つくし」は例年2月中旬ごろからですが、開花時期はその年の気候や諸条件によって変わります。石山寺は公式サイトで「花だより」を随時更新しているので、出かける前にご確認ください。早い年は1月中旬から咲き始めることもあります。

Q2月に石山寺周辺で食べられるものはありますか。
A

琵琶湖の冬の湖魚が味わえます。アユの稚魚である氷魚(ヒウオ)は漁期が12月から翌3月頃までで、釜揚げや佃煮になります。産卵前の子持ちホンモロコも12月から3月頃の出回りです。ただし主な漁場は北湖のため、石山寺の前の瀬田川で獲れるものではなく、県内に流通したものを大津で味わう形になります。

Q公共交通機関で石山寺へ行けますか。
A

行けます。JR石山駅で京阪石山坂本線に乗り換え、京阪石山寺駅から徒歩約10分です。JR石山駅から京阪バスを利用する場合は約10分、石山寺山門前で降りてすぐです。最新の運行状況は各社の公式サイトでご確認ください。