しずか旅
温泉🍱グルメ

城崎温泉きのさきおんせん

兵庫県 · 豊岡市

城崎温泉

きのさきおんせん

大谿川沿いに柳が揺れる温泉街・城崎温泉。7つの外湯を浴衣姿で巡る「外湯めぐり」が名物ですが、浴衣と下駄がいちばん似合うのは、実は夏です。カニを目当てにした客で宿が埋まる冬とは違い、梅雨明け前後の温泉街は、湯めぐりそのものに時間を使える季節になります。

兵庫県豊岡市の城崎温泉は、大谿川沿いに柳並木が続く温泉街です。宿の内湯ではなく外湯が主役という珍しい構造を持ち、浴衣に下駄で7つの湯を巡る「外湯めぐり」が町の作法として残っています。観光協会が自ら「ゆかたの似合うまち」を掲げているとおり、この町の主役は建物ではなく、浴衣で歩く人のいる通りそのものです。

その浴衣が、いちばん無理なく着られるのが夏です。冬の城崎は松葉ガニを目当てにした客で宿が埋まり、浴衣の上に羽織を重ねて足早に湯を移動することになります。夏なら、湯上がりの火照った体に川風が当たる時間そのものが目的になる。日が落ちてから外湯を二つ三つ回り、間に冷たいものを挟んでまた歩く——温泉街の時間の使い方として、こちらのほうが本来に近いはずです。

6月に行くなら、もうひとつ。城崎温泉の町花はあやめで、毎年6月の上旬から下旬にかけて、町のあちこちで一斉に植えられる「あやめ月間」があります。浴衣で歩く通りに、その月だけの色が加わる時期です。

ただし、いま外湯は7つすべてが開いているわけではありません。鴻の湯が施設の改修工事のため長期休館に入っており、2026年は10月末までの予定とされています。休館の間は、まんだら湯が定休日にも臨時で営業しています(開湯は午後3時から)。「7つ全部に入る」を目的に来ると空振りになるので、出発前に観光協会の公式発信で現在の営業状況を確かめてください。数を集めるのではなく、気に入った湯にもう一度入り直す——夏はそういう回り方のほうが合います。

混み具合が気になるなら、観光協会の公式サイトが外湯の混雑状況を公開しています。営業中の湯だけが表示される仕組みで、宿を出る前に見ておけば、どの湯から回るかを決められます。湯によって込み方は違うので、これを見てから下駄を履くのがいちばん確実です。

夏の夜には「夢花火」が上がる年があります。ただし打ち上げの期間も、期間中のどの日に上がるかも年によって変わり、除外日が設けられます。「平日なら見られる」とも限りません。花火を旅の目的にするなら、必ず公式の告知で当年の日程を確かめてから宿を取ってください。ただ、花火のない夜が外れというわけでもない。大谿川沿いの柳並木には影絵BOXが置かれる年があり、2025年は春から晩秋まで設置されていました。灯りの落ちた通りを、下駄の音だけで歩く時間が残ります。

食は、あるものを楽しむ構えでいたほうがいい。観光協会は夏の味として円山川の「城崎産天然うなぎ」を挙げていますが、同じ記事の中で「夏の時期にいつでもあるわけではない」とも書いています。品書きに見つけたら頼む、なければ別のものを選ぶ——それくらいの距離感が、この土地の夏には合っています。

海のものは、もう少しはっきりしています。観光協会が6月の旬として挙げるのは、イサキ、あかみず、あご、さざえ、そして白いかの五つ。あかみずは関東でいうアコウで、この時期に少ししか獲れない高級魚です。あごはトビウオのことで、産卵のために日本海へ戻ってくるところを夜の漁で獲ります。白いか(剣先イカ)は漁火で水揚げされ、透き通った身に弾力がある。いずれも夏の産卵期に向けて脂を蓄えた、城崎の近海の魚です。

ただし、その日に何が並ぶかは海の側の都合です。魚の旬には獲れる量の旬と脂の乗る旬があり、どちらも年によって前後します。献立を決めてから行くより、上がっているものを聞いてから決めるほうが、この町の夏には合っています。

見どころ

  • 1浴衣と下駄がいちばん似合う季節——夏の外湯めぐり
  • 27つの外湯(さとの湯・地蔵湯・柳湯・一の湯・御所の湯・まんだら湯・鴻の湯)※鴻の湯は長期休館中
  • 3湯上がりに大谿川の川風——柳並木がいちばん青い季節
  • 4夏の夜の「夢花火」——上がる日は年により変わるため要確認

混雑カレンダー

空いている
やや空き
普通
やや混雑
非常に混雑
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12

混雑ピーク — 1月・2月・12月

カニシーズンと冬休み・年末で混雑

狙い目 — 6月・7月

梅雨明け前後の城崎は、浴衣で外湯をひと巡りしても急かされない。夕方から夜にかけて温泉街をそぞろ歩く、この町本来の過ごし方に時間を使える時期

おすすめ訪問時期

💡

6月から7月中旬の平日が最も落ち着いています。梅雨のさなかでも外湯は屋内が中心なので、雨の日の湯めぐりは案外相性がいい。8月に行くなら、お盆の前後と夢花火の期間を外した平日を選んでください。いずれの月も、外湯の営業状況(とくに休館中の湯)と花火の日程は、出発前に公式でご確認ください。

オフシーズンだから会える景色

カニの季節に集中する城崎で、夏はもっとも予定を詰めなくていい時期です。外湯は夕方から夜が本番なので、日中は涼しい場所で時間を使い、日が落ちてから浴衣に着替えればいい。ただし8月はお盆と夢花火の期間に人が集まります。月の後半を避け、6月から7月中旬の平日に寄せると、湯めぐりの間合いがいちばんゆったりします。

アクセス

電車・バス

JR山陰本線 城崎温泉駅

北近畿豊岡自動車道 豊岡出石IC

駐車場

城崎温泉駅前駐車場(市営)

よくある質問

Q夏に温泉街へ行って、暑くありませんか?
A

外湯めぐりは夕方から夜が本番のため、日中の暑さとはあまり重なりません。日が落ちてから浴衣に着替え、湯を出たあとに大谿川沿いを歩くと川風が当たります。日中は冷たいものを出す店が温泉街に点在していますので、そちらで時間を使う組み立てが一般的です。営業時間や定休日は店ごとに異なるため、現地の観光案内所や公式サイトでご確認ください。

Q外湯は7つすべてに入れますか?
A

2026年は鴻の湯が施設の改修工事のため長期休館に入っており、10月末までの予定とされています。休館の間は、まんだら湯が定休日にも臨時営業しています(開湯は午後3時から)。全湯制覇を目的にすると空振りになりますので、お出かけ前に城崎温泉観光協会の公式発信で最新の営業状況をご確認ください。

Q夢花火は必ず見られますか?
A

確実ではありません。打ち上げの期間も、期間中に上がる日も年によって変わり、除外日が設けられます。年によっては平日でも上がらない曜日があります。花火を目的に日程を決める場合は、城崎温泉観光協会の公式告知で当年の日程をご確認のうえ、宿をご予約ください。花火のない夜でも、外湯めぐりと街歩きは変わらず楽しめます。