別府地獄めぐり
べっぷじごくめぐり
大分県別府市の鉄輪・亀川の地獄地帯に点在する7つの地獄を巡る「べっぷ地獄めぐり」。コバルトブルーの海地獄、噴気まで赤い血の池地獄、一定の間隔で熱湯を噴き上げる龍巻地獄など、源泉ごとにまったく違う姿を見せます。訪れるなら、冬の湯けむりに包まれる2月がおすすめです。
べっぷ地獄めぐりは、鉄輪・亀川の地獄地帯に点在する7つの地獄――海地獄・血の池地獄・龍巻地獄・白池地獄・鬼石坊主地獄・鬼山地獄・かまど地獄――を巡る、別府観光の定番です。地中から噴気や熱泥、熱湯が噴き出す様子から、この一帯は昔から「地獄」と呼ばれてきました。このうち海・血の池・龍巻・白池の4つは、多様な色彩と形態から国の名勝に指定されています。
海地獄は別府の地獄のなかで最も大きく、池の青は温泉に溶けた硫酸鉄によるものです。泉温は約98度で、約1200年前の鶴見岳の噴火とともにできた熱泉とされています。血の池地獄は酸化鉄の成分で噴気までが赤く、龍巻地獄は一定の間隔で熱湯と噴気を噴き上げます。海地獄の周辺にある5か所は歩いて回れる距離にあり、血の池地獄と龍巻地獄はそこから約3km離れているので、車かバスで移動します。
残る4つにも、それぞれの顔があります。白池地獄は和風庭園の中に青白い池がたたずみ、鬼石坊主地獄では灰色の熱泥が坊主頭のように見えます。鬼山地獄は温泉の熱を使ってワニを飼育しており、かまど地獄には、昔、氏神の大祭に地獄の噴気で御供飯を炊いた習わしがあります。海地獄は『豊後風土記』に記された「玖倍理の湯」にあたるとされ、平成21年に血の池・龍巻・白池とともに国の名勝となりました。
別府市の観光動態要覧によると、地獄めぐりを含む別府市周辺の18の主要観光施設の入込は、2023・2024年の平均で2月が12か月のうち下から2番目でした。最も多いのは8月で、海水浴場なども含む数字ではありますが、2年とも他の月を大きく引き離しています。2月の別府は最高気温9℃・最低気温2℃ほど。別府市の公式旅行相談サイトは、冬の魅力として湯けむりが立ち上る温泉街の風情を挙げています。
食の楽しみは、まず地獄蒸しです。温泉から噴き出す約100度の蒸気で食材を蒸す調理法で、鉄輪では江戸時代から使われてきました。塩分を含む蒸気で一気に蒸すため、食材本来の旨味が閉じ込められます。いでゆ坂沿いの「地獄蒸し工房鉄輪」では、食材を「地獄蒸し釜」に入れて自分で蒸す体験ができます。予約はできず、受付番号札の順に案内され、毎月第3水曜日が休館日です。町なかでは、鶏肉を天ぷら粉で揚げてポン酢やからしで食べる大分名物のとり天や、そば粉の麺に魚介系の和風スープを合わせる別府冷麺も味わえます。冷麺は店によって夏季だけの提供のこともあるので、冬に食べるなら事前に確かめてください。地獄蒸しやとり天は通年の味です。冬の大分の味覚としては豊後水道のふぐがあり、大分市の観光案内は、ふぐの白子の旬を1月から3月ごろとしています。
地獄めぐりは8時から17時まで、年中無休で開いています。7つの地獄に入れる共通観覧券は購入日とその翌日の2日間有効なので、2日に分けて巡ることもできます。冷えた体は、鬼石坊主地獄に併設された日帰り温泉「鬼石の湯」で温められます。気象条件がそろえば、別府ロープウェイで上る鶴見岳では12月上旬から3月中旬にかけて霧氷が見られます。夜まで足をのばすなら、鉄輪東の湯けむり展望台から、立ちのぼる湯けむりを見渡せます。土・日・祝日の19時から21時には湯けむりのライトアップもあります。なお、海地獄の大鬼蓮や熱帯性睡蓮の花の時期は5月上旬から11月上旬で、2月には見られません。
見どころ
- 1海地獄——約1200年前の鶴見岳の噴火とともにできた、コバルトブルーで約98度の熱泉
- 2血の池地獄——酸化鉄の成分で、噴気までが赤く染まる地獄
- 3龍巻地獄——一定の間隔で熱湯と噴気を噴き上げる間欠泉
- 4国の名勝——海・血の池・龍巻・白池の4つの地獄が、温泉として初めて指定された
混雑カレンダー
混雑ピーク — 月単位では区切れません
別府市の主な観光施設の月別統計では8月が最も多くなりますが、海水浴場など夏に利用が偏る施設を合わせた数です。
狙い目 — 2月
2月は冬の湯けむりに包まれた地獄をゆっくり見て回れる真冬の季節。6月は海地獄の大鬼蓮や熱帯性睡蓮が花の時期に入り、池の青と花の色を落ち着いて楽しめる初夏
おすすめ訪問時期
2月がおすすめです。地獄めぐりは8時から17時まで年中無休。海地獄の周辺にある5か所を歩いて巡り、約3km離れた血の池地獄と龍巻地獄へは車かバスで向かうのが基本の回り方です。
オフシーズンだから会える景色
別府市の統計では、地獄めぐりを含む主要観光施設の入込は2月が12か月のうち下から2番目(2023・2024年の平均)。冬の湯けむりに包まれた7つの地獄を、池の青や赤をじっくり眺めながら見て回れる季節です。
アクセス
JR別府駅西口から亀の井バス「鉄輪行き」で約20分、「海地獄前」または「鉄輪」下車
大分自動車道 別府ICから約5分(IC出口を右折)
各地獄に駐車場あり
よくある質問
Q7つの地獄はどう回ればいいですか?
海地獄の周辺にある5か所は歩いて回れる距離にあり、血の池地獄と龍巻地獄はそこから約3km離れています。この間は車かバスで移動し、バスなら鉄輪から16番のバスで「血の池地獄前」へ向かいます。共通観覧券は購入日とその翌日の2日間有効です。
Q冬の地獄めぐりで気をつけることはありますか?
2月の別府は最低気温が2℃ほどで、鉄輪や明礬のあたりは特に冷え込む地域です。厚手の上着や手袋など、防寒の用意をしてください。冷えた体は、鬼石坊主地獄に併設された日帰り温泉「鬼石の湯」で温められます。
Q地獄めぐりのあとに何を食べればいいですか?
鉄輪の名物は、温泉の蒸気で食材を蒸す地獄蒸しです。いでゆ坂沿いの「地獄蒸し工房鉄輪」では、食材を釜に入れて自分で蒸す体験ができます(予約はできず、受付番号札の順に案内)。海地獄の売店では、地獄で茹でた温泉卵や地獄蒸し焼きプリンも味わえます。いずれも通年のものです。
Q2月でも花は見られますか?
海地獄で育てている大鬼蓮や熱帯性睡蓮の花の時期は5月上旬から11月上旬で、2月には見られません。冬は池の色と湯けむりを見る季節です。気象条件がそろえば、別府ロープウェイで上る鶴見岳で、12月上旬から3月中旬にかけて霧氷が見られます。
Qバスで7つの地獄をまとめて回れますか?
亀の井バスが、7つの地獄を巡る定期観光バスを出しています。所要時間は3時間程度で、龍巻地獄の噴き上げの時間などで前後します。乗り場や出発時刻、予約の方法は、亀の井バスの公式サイトで確認してください。